ナノインデンテーション
ナノインデンテーションとは、鋭い先端を材料の表面に押し付け、その圧痕を作るのに必要な力を測定することで材料の局所的な機械的挙動を評価する手法です。この手法により、材料の応答から、硬さ、弾性率、ひずみ速度感度などの局所的な機械的特性を直接測定できます。
アプリケーション
Oxford Instruments Group グループの一員
iX05 は、高温、低温、高ひずみ速度など、幅広いオペランド条件下での材料特性解析に最適な、MEMS ベースのスタンドアロン型ナノインデンターです。
従来のナノインデンターは、実験室の条件下で材料を測定することに特化しています。しかし、実際の用途で使われる材料は機械的特性に大きな影響を与える過酷な環境にさらされていることがよくあります。iX05 は、こうした材料が置かれる現実の環境を再現した条件下で試験を行えるように最適化されています。
MEMS 技術による高解像度と高速性、そして高速制御エレクトロニクスおよび環境制御と組み合わせることで、iX05 は幅広い試験条件下で材料の機械的特性を測定および可視化できる究極のツールとなっています。
iX05 オペランドナノインデンテーションシステムは、+800 °Cまでの高温試験と-150 °Cまでの低温試験に対応しています。このシステムは、不活性ガス雰囲気または高真空下での試験を可能にする環境制御機能を備えたモーター駆動式チャンバーを採用しており、酸化や汚染を最小限に抑えます。
-150 °C から +800 °C まで |
5⋅ 10-4 mBar まで低減 |
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| 温度範囲 | 運転圧力 |
iX05 は、超高速でのナノインデンテーションが可能です。最大1秒間に 30 回のナノインデンテーションマッピングを行うことができます。FemtoTools MEMS 力センサーと超高速電子回路を組み合わせることで、2 MHzのサンプリングレートと 500 kHzのフィードバック周波数を実現し、高速動作時においても比類ない性能を発揮します。
最大 2N |
最小 100 pn |
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| 温度範囲 | ノイズフロアを強制設定 (10 Hz時) |
iX05 は、超高分解能ナノインデンテーション機能を備えており、硬さや弾性率のわずかな変化も検出できます。さらに、20μm の範囲でノイズフロアが 5pm 未満の変位を検出できる機能を備え、7 桁の測定範囲をカバーしています。また、この装置は、SI 単位で測定可能な力測定を実現する交換可能な MEMS ベースの力センサーを搭載しており、100 pN（ノイズフロア）から 2 Nまでの範囲をカバーしているため、10 桁の測定範囲を実現しています。iX05 には、精度と正確性を確保するための自動化された高精度なキャリブレーション手順が搭載されているため、スムーズに利用することができます。
高温モジュールは、不活性ガス雰囲気下、最大 400 °Cの制御された温度において、ナノインデンテーションなどの機械的試験を実施可能です。当社の先端加熱機能を備えたマイクロフォースセンシングプローブと組み合わせることで、制御された等温試験を実施することができます。
| 温度範囲 | 酸化防止 | |
| 高温モジュール | 800 °C | 真空 |
クライオジェニック温度モジュールは、液体窒素を冷却剤として使用することでマイナス 150°Cまでの超低温環境を作り出します。これにより、超低温環境下での実験が可能となります。iX05 は、高真空条件下で動作するために結露に関連する問題を効果的に防止し、クライオジェニック温度下でのスムーズで信頼性の高い実験を保証します。
| 温度範囲 | 結露防止 | |
| クライオジェニックモジュール | -150 °C | 真空 |
スクラッチ試験モジュールは、交換可能なサンプルステージとピエゾスキャナ、および FemtoTools 2 軸マイクロフォースセンシングプローブを組み合わせています。サンプルの平面内移動と垂直方向の力印加を同時に行うことで、ナノスクラッチ試験、ナノウェア試験、SPM イメージングといった高度な評価技術を実現します。
| 移動範囲 | ノイズフロア | |
| ピエゾスキャナ | 250 µm | 0.4 nm |
本マッピングモジュールは、圧痕形成の速度を 1 秒あたり 3 回から最大 30 回まで向上させているので、1 時間足らずで 90,000 回以上の圧痕を付けた高解像度マップを生成することができます。専用のサンプルステージにより、高速加速、停止、安定化、ナノインデンテーション測定の実施、そして 33 ミリ秒未満で次のインデント位置への加速を行います。これは、卓越した精度を維持するために不可欠です。
| 圧痕速度 | |
| 超高速マッピングモジュール | 30 インデント |
マイクロフォースセンシングプローブは、センサーのプローブ軸に沿ってサブナノニュートンから 2 ニュートンまでの力を測定できるセンサーです。ダイヤモンド・ベルコビッチ、キューブコーナー、フラットパンチ、ウェッジ、円錐形など、多様な先端の材質と形状を選択可能です。
| 範囲 | ノイズフロア (10 Hz) | |
| S200 | +/- 200 μN | 0.1 nN |
| S2’000 | +/- 2’000 μN | 0.5 nN |
| S20’000 | +/- 20’000 μN | 5 nN |
| S200’000 | +/- 200’000 μN | 50 nN |
| S2’000’000 | +/- 2’000’000 μN | 500 nN |
2 軸マイクロフォースセンシングプローブは、マイクロエレクトロメカニカルシステム（MEMS）を基盤とした多軸マイクロフォースセンサーで、平面内の 2 方向における力を同時に測定できます。主な用途は、ナノスクラッチ、ナノトライボロジー、およびナノウェア試験です。
| 範囲 | ノイズフロア (10 Hz) | |
| 法線方向 | +/- 20’000 μN | 10 nN |
| 接線方向 | +/- 20’000 μN | 10 nN |
高温マイクロフォースセンシングプローブは、マイクロエレクトロメカニカルシステム（MEMS）を基盤としたマイクロフォースセンサーで、200 mN から 2 µNまでの力を測定できます。さらに、モノリシックに統合された先端ヒーターによりナノインデンター先端の温度をサンプルの温度と正確に一致させることができるため、等温条件下での試験が可能になります。
| 力範囲 | 力分解能（10 Hzでのノイズ） | |
| FT-S200'000-HT | +/- 200 mN | 100 nN |
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