ナノインデンテーション

ナノインデンテーション法

発明以来、ナノインデンテーションは世界で最も広く利用される機械試験法になりました。あらゆる種類の材料を対象に、多岐にわたる機械的特性の評価に用いられています。

最も一般的には、硬さや強度、弾性挙動といった準静的過程の評価に使われますが、可能性はそれだけにとどまりません。

ナノインデンテーションは、ほとんどすべての材料の機械的特性を調べることができます。動的特性、時間依存性、繰り返し特性なども、さまざまな技術を駆使して分析可能です。さらには、破壊挙動や相転移といった複雑な特性でさえも測定できます。この汎用性の高さこそが、ナノインデンターが研究室にとって不可欠なツールである理由です。

シンプルなナノインデンテーション

シンプルインデンテーション（SI）は、最も強力なナノインデンテーション手法の一つです。この手法では、動的な振動を加えることなく、単調な荷重/除荷の経路で圧痕を形成します。リニア（線形）または二次曲線的な荷重/変位速度、あるいは一定の圧痕ひずみ速度で試験を行うことが可能です。

このモードでは FemtoTools システムが持つ比類ない動的性能を活かし、単純な荷重に対する材料の動的な機械的応答を受動的に測定します。これにより、試験中に発生する断続的な破裂や間欠的な塑性変形などの個々の事象を高い詳細度で評価することができます。

連続剛性測定（CSM）

たった 1 回の試験で何千もの測定ができるのに、なぜ何百回も単純なナノインデンテーションを行う必要があるのでしょうか？これこそが、ナノインデンテーションにおける連続剛性測定（CSM）技術の強みです。

一般的なシンプルナノインデンテーションでは、荷重除去中に一度しか剛性を測定できません。

一方、CSM 試験では、荷重をかける際に微小な振動を重ねて印加することで、試験中ずっと剛性を連続的に測定できます。これにより、個々の圧痕測定において硬さと弾性率を貫入深さの関数として測定することが可能になります。

FemtoTools 社の業界トップクラスの力と変位の精度により、この微小な振動はナノメートル以下のレベルで行うことができます。これにより、浅い深さでも高速な CSM 測定が可能になります。