ナノインデンテーション
ナノインデンテーションとは、鋭い先端を材料の表面に押し付け、その圧痕を作るのに必要な力を測定することで材料の局所的な機械的挙動を評価する手法です。この手法により、材料の応答から、硬さ、弾性率、ひずみ速度感度などの局所的な機械的特性を直接測定できます。
アプリケーション
Oxford Instruments Group グループの一員
i04 Femto-Indenter は、マイクロおよびナノスケールで材料の機械的およびトライボロジー的特性を正確に定量できる高解像度なナノメカニカルテストシステムです。
世界初の MEMS ベースのナノインデンターである i04 は、FemtoTools が特許を取得したマイクロエレクトロメカニカルシステム (MEMS) 技術を採用しています。また、20 年以上にわたる革新の成果を活かし、比類のなき分解能、再現性、動的安定性を実現しています。
i04 Femto-Indenter は、金属、セラミック、薄膜、コーティング、およびメタマテリアルなどより順応性の高い微細構造物の機械的試験に最適化されています。
主な応用例には、硬度と弾性率の定量化、機械的特性マッピング、スクラッチ試験、SPM イメージング、高温試験用の追加モジュールなどがあります。
マイクロエレクトロメカニカルシステム（MEMS）をベースとした力センサーは、極めて小さい可動質量と高い剛性により、最大 100 kHz という比類ないダイナミックレンジを実現します。さらに、MEMS の精密な製造公差によりノイズフロアを 500 pN まで低減することが可能です。
最大 100 kHz |
500pN まで低減 |
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| 共鳴周波数 | 強制ノイズフロア |
ナノインデンターの重要な品質指標の一つは、押込み深さをどれだけ正確に測定できるかです。この性能は、変位センサーのノイズフロア（実質的な分解能）によって限界が決まります。
当社の FT-I04 フェムト・インデンターは、50 pm未満という比類ないノイズフロアを実現しており、非常に浅い深さの測定でも優れた結果を出します。本例ではわずか5 nmの深さで石英ガラスに圧痕をつけましたが、高い再現性を持つ圧痕曲線を得ることができました。
50 pm 未満 |
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| 位相シフトノイズフロア |
一貫した深さで機械的特性を測定・比較するには、変位を制御しながらナノインデンテーションを行うことが不可欠です。その結果、常に同じ体積の材料を測定することができます。
自然変位制御 | ||
| 制御モード |
高温モジュールは、不活性ガス雰囲気下、最大 400°C の制御された温度において、ナノインデンテーションなどの機械的試験を実施可能です。当社の先端加熱機能を備えたマイクロフォースセンシングプローブと組み合わせることで、制御された等温試験を実施することができます。
| 温度範囲 | 酸化防止 | |
| 高温モジュール | 400 °C | 不活性ガス充填 |
スクラッチ試験モジュールは、交換可能なサンプルステージとピエゾスキャナ、および FemtoTools 2 軸マイクロフォースセンシングプローブを組み合わせています。サンプルの平面内移動と垂直方向の力印加を同時に行うことで、ナノスクラッチ試験、ナノウェア試験、SPM イメージングといった高度な評価技術を実現します。
| 移動範囲 | ノイズフロア | |
| ピエゾスキャナ | 250 µm | 0.4 nm |
マイクロフォースセンシングプローブは、センサーのプローブ軸に沿ってサブナノニュートンから 2 ニュートンまでの力を測定できるセンサーです。ダイヤモンド・ベルコビッチ、キューブコーナー、フラットパンチ、ウェッジ、円錐形など、多様な先端の材質と形状を選択可能です。
| 力範囲 | 力分解能（10 Hzでのノイズ） | |
| FT-S200 | +/- 200 µN | 500 pN |
| FT-S2’000 | +/- 2 mN | 5 nN |
| FT-S20’000 | +/- 20 mN | 50 nN |
| FT-S200’000 | +/- 200 mN | 500 nN |
| FT-S2’000’000 | +/- 2 N | 5 µN |
FT-S 2 軸マイクロフォースセンシングプローブは、マイクロエレクトロメカニカルシステム（MEMS）を基盤とした多軸マイクロフォースセンサーで、平面内の 2 方向における力を同時に測定できます。主な用途は、ナノスクラッチ、ナノトライボロジー、およびナノウェア試験です。
| 力範囲 | 力分解能（10 Hzでのノイズ） | |
| 力検知 | +/- 20 mN | 100 nN |
| 接線力検知 | +/- 20 mN | 100 nN |
高温マイクロフォースセンシングプローブは、マイクロエレクトロメカニカルシステム（MEMS）を基盤としたマイクロフォースセンサーで、200 mNから 2 µNまでの力を測定できます。さらに、モノリシックに統合された先端ヒーターにより、ナノインデンター先端の温度をサンプルの温度と正確に一致させることができ、等温条件下での試験が可能になります。
| 力範囲 | 力分解能（10 Hzでのノイズ） | |
| FT-S200'000-HT | +/- 200 mN | 1 µN |
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